ひなまつり

ひなまつり

 

「ひなまつり」は、現在では、女の子のいる家庭でおこなわれることが多く、5月5日が「男の子の節句」と呼ばれるのに対して、3月3日は「女の子の節句」などとも言われます。英語でも「ガールズ・フェスティバル」と翻訳されることがあります。春を迎えて、子どもたち、特に女の子の成長を祈る行事として定着しています。

 

雛壇に華やかな雛人形を飾りますが、人形はもともとは、人々のけがれや災いをその人形に託して、おはらいをするための道具から起こったといわれます。地方によっては、簡単な紙や土の人形だったりします。けがれを清めるために人形を川に流すという「流し雛」という風習もあります。古くからの神道の考え方が根本にあるわけです。

 

豪華な雛人形ですと、お内裏様の下の段に三人官女や五人囃子などを飾ります。これらは昔の京都の宮廷を模したものです。また、左大臣と右大臣の人形もあります。左大臣は向かって右、右大臣は向かって左に飾ります。左近の桜と右近の橘も同様ですので、間違えないようにしたいものです。これらは、お内裏様から見て、左方向、右方向という意味になります。左の左大臣のほうが、大臣の格が上ということになります。

 

戦後に国民の祝日を決めるとき、「子どもの日」を5月5日にする案のほかに、3月3日にしようという案があったそうです。どちらの日も、古くから子どものすこやかな成長を祝い、祈る日であったわけです。静岡県や愛知県などでは、3月3日に、子どもたちが雛人形を持って出かけて春の野山や浜辺に遊び、白酒や菱餅、ひなあられなどをお供えする行事があります。春を迎える行事に子どもたちも一役かっているわけで、この日は必ずしも女の子だけのお祭ではないのだということも、大事なことです。

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