雨ニモ負ケズ 夏ノ暑サニモマケズ(夏祭り)

雨ニモ負ケズ

 

日本のお祭りは数あれど「夏祭り」と言えば「お神輿」。神霊が奉安されたお神輿を、怖いほど気合の入った担ぎ手達が、夏の暑さを吹き飛ばすように勇壮な掛け声で荒々しく担ぐ姿をご覧になった方も多いと思います。この「夏祭り」のことを、「祇園(ぎおん)祭」「天王(てんのう)様」「八坂祭」などと称しているところが多いのも特徴の一つですね。

 

ところで、この呼び方には一体どんな意味があるのでしょうか。

 

現在、各地で「祇園祭」「天王様」「八坂祭」といわれているお祭りは、京都市祇園に鎮座する八坂神社の「祇園祭」に起源があると言われます。八坂神社の御祭神「須佐之男命」は別名「牛頭天王(ごずてんのう)」とも言われ、もともと疫病をおこす神として人々から恐れられていました。また、原因不明の疫病や予測不能な自然災害は、当時、恨みを残して死んでいった怨霊の仕業とも考えられていました。そこで都に暮らす人々は疫病が流行し易い夏の時期に「祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)」と称し、疫病や災害を起こす神や怨霊を盛大に祭り、疫病の流行を防ごうとしたのでした。

 

この「祇園御霊会」は日本各地に伝えられ、八坂神社の鎮座地「祇園」から「祇園祭」、御祭神須佐之男命の別名牛頭天王から「天王様」、神社名「八坂」から「八坂祭」などと呼ばれたりしました。

 

本場の京都祇園祭は各町から引き出される山や鉾を祇園囃子とともに静々と牽いて行くなど豪華絢爛なお祭りで知られています。地方で都の優美さは望むべくもありませんが、神様の勇ましい活躍を期待して、激しくお神輿を担いでいるのでしょう。

 

世の中が進んでも、季節になれば水害や伝染病の被害が毎年のように報道されています。自分ひとりのためだけでなく地域に住む皆さんのために、思いっきりお神輿を担ぎましょう。そ~れっ「わっしょい!わっしょい!」

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