神社境内における樹木安全点検実施のすすめ

神社実務部では、今期の教化委員会の活動主題である「社会に向けた教化と氏子崇敬者への教化」に基づき、その具体的目標を「神社における管理上の諸問題を考える(不慮の事故・災害に備える)」として、神社運営管理上発生する諸々のリスクを最小限に抑える諸活動について指標を示すべく、平成23年2月18日、川越氷川神社氷川会館で神社実務研修会を開催しました。
神社境内で発生する事故、災害の中でも、樹木の倒木、枝折れに起因するもが34%にも上ることから、神社境内敷地内樹木の倒木・枝折れによる事故・災害を未然に防ぐための対応策としては、定期的な「境内樹木安全点検」が大切であることがわかりました。樹木の事故防止は「木をみる・観察する」ところから始まります。神社実務部では、各社の宮司・氏子総代に樹木への関心をさらに高めていただきたく、樹木のチェックシートを作成しました。
このチェックシートを試用して、平成23年度には、モデル神社(県内4神社)を設定して、3ヶ月毎の周期的点検チェックを実施しました。

以下、チェックシート作成のための説明書となる「境内樹木安全点検手順書」、記入の参考例としてモデル神社となった「秩父神社境内樹木安全点検チェックシート」、ご利用頂くための「境内樹木安全点検チェックシート」をダウンロードして頂き、是非、奉務神社でご活用いただき、倒木・枝折れの兆候をいち早く察知し、事故を未然に防ぐ指針として役立てて欲しいと思います。

 

 

樹木の日常管理は、管理樹木の抽出から始まり、管理樹木に指定して、基礎調査を実施し、生育・景観の評価を行います。その結果、専門家の診断が必要と判断された場合は樹木医によって外観診断・詳細調査を実施します。また、日常管理状態が良好な樹木は、引き続き良好な状態を維持するための諸作業(計画・目標設定から検証まで)を行います。
鎮守の杜を守り、木を育てるためには、神社に仕える神職、氏子総代など役員が中心になって樹木点検票・樹木点検台帳を使用して定期的にチェック、観察し、それらの基礎調査によって樹木の時節毎の定期的生育状態の把握に努めることが重要です。その結果、樹木医など専門家による外観診断が必要と判断された場合は、専門家による詳細調査を実施してもらいます。そして、問題がある場合は、「保全目標の設定」をして、治療・回復の対応策を実施します。

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